下の写真はフィンランドの有名な建築家アルヴァ・アアルトの代表作、セイナッツァロの村役場です。(古いスライドフィルムのスキャンなので不鮮明でいません)

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若いころ何度か訪れたことがありますが、行くたびに幸せな気分になりました。1950年代初頭にできた建物で、もう70年近くになる建物です。この写真を撮ったのは1990年代なので築40年頃ですが、ネットで転がっている画像を見る限り現在も相変わらずきれいな状態に維持されているようです。レンガで外装されているせいか上手く歳をとっていける建物なのでしょう。

 

僕の祖父も父も構造を専門とした設計事務所を営んでいたので小さいころから建築の仕事場は見てきていました。でも楽しそうに見えなかったし身の回りの建築物にもほとんど興味はありませんでした。成り行きで建築の大学に入ってすぐ、歴史は好きだったのでモダニズムの著名な建築を図書館などで片っ端から見ていきましたが、その時一番印象に残ったのが、この建物のこのアングルでした。議場やそこに至る階段など内観も素晴らしいのですが、なんといっても草のステップを擁するこの外観です。その後、卒業論文も結局アアルトの事について書いたのですが、その当時はうまく魅力を説明できませんでした。

 

50歳を前にして、再度この建物とアアルトについて整理をしたくなりました。どんな風に展開していくかは自分でもよく分かりませんが、少しずつ話を進めていこうと思います。


夏内観01